妊娠糖尿病は,妊娠中に初めて発見された糖代謝異常です.一般的な糖尿病に比べ血糖上昇は軽度ですが,妊娠中・周産期の母児の合併症や将来の健康に影響を及ぼすことが報告されています.しかし,妊娠中の血糖管理目標についてはエビデンスが不十分な点も多く,更なる研究が必要とされています.
そこで,京都大学大学院医学研究科周産期疫学分野,同大学院婦人科学産科学教室とともに,全国29の医療機関で正常耐糖能と妊娠糖尿病の妊婦さんに持続血糖モニターを装着いただき,グルコース変動の実態や周産期合併症との関連を調査しています.
科研費(基盤研究B)「糖代謝異常合併妊娠における妊娠期・分娩期血糖管理目標策定のためのエビデンス構築」,科研費(基盤研究B)「ICTを活用した多職種連携による切れ目ない妊娠糖尿病産後ケア体制の構築」の一部として行っています.
糖尿病専門医が不在の離島で,糖尿病専門医療チームが妊娠糖尿病妊婦を支援するための遠隔チーム医療モデルを立案し,実証実験を行います。
香川大学医学部附属病院糖尿病センター・内科外来,小豆島中央病院の協力を得て行います.
東京芸術大学と香川大学の取り組む地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)「アートと科学技術による『心の豊かさ』を根幹としたイノベーション創出と地域に根差した課題解決の広域展開」の一部として行っています.
妊娠糖尿病の自己管理を支援する機能と母子健康手帳を一体化したGDM妊婦のためのセルフケア支援アプリの開発と評価を行います.
第一弾として,これまでに妊娠糖尿病と診断された妊婦が生活調整や健康管理を行いやすくなるよう,妊娠糖尿病の基礎知識やQ&A,体験談を提供し,妊娠中の体重や血圧,推定胎児体重をグラフ化して管理可能な母子手帳アプリを開発しました.
今後は,健康行動を促すセルフケア支援ツールとしての機能を強化したスマホアプリを作成し,介入効果を検証していく予定です.
科研費(基盤研究B)「ICTを活用した多職種連携による切れ目ない妊娠糖尿病産後ケア体制の構築」の一部として行っています.
糖尿病をもつ高齢者は,フレイル(心身機能の虚弱および生活機能低下)発症リスクが高く,悪化しやすいことが知られています.
私達はこれまでから,全国の糖尿病専門外来と連携し糖尿病特有のフレイルリスク因子を調査し,糖尿病患者のフレイル予防が個別性に応じてより効果的に行えるようケアモデル開発をめざしてきました.
今後は,大規模コホートの解析などを追加で行い,テレナーシングを活用したケアモデル開発を行い,効果検証することを目指しています
香川大学創造工学部石丸伊知郎教授の研究室で行われている全く新しい計測技術を開発し,実用化するための研究に参加しています.
当研究室は,特に臨床研究や社会実装に向けた取り組みに協力しています.
香川大学医学部附属病院がん相談支援センターの看護師と医療ソーシャルワーカーを中心に行われている研究に,共同研究者として参加しています.
がん相談支援センターに寄せられる相談内容の特徴を明らかにするため,過去5年間の「相談記入シート」の分析を行っています.